出口計画(Exit plan)の重要性 ~いつやめるか?今でしょ!~

ビジネス・社会・環境

出口計画(Exit plan)の重要性に関してお話しします。

筆者が外資系ITベンダーに勤務していた頃、いくつかの事業計画を作って経営トップに上申した経験があります。

その際、必ず鋭く突っ込まれた点は、Exit plan(出口計画)はどうなっているかという点でした。

新しい事業やことを開始しようとする際、どうしても目先のやるべきことに目が行ってしまいがちになります。もちろん開始することも難しいためそうなるのも仕方がありません。

しかし、意外に一番重要なことは何かというと、始めた事業をどうなった状態なら止めるのか、なんです。

その判断には、ある意味始める判断より難しい決断が求められるのです。

いつやめるのか?

その決断を適切に下すようになるためには、リスクシナリオをしっかり立てて、具体的にこうなったらこの事業は中止し、撤退しますという点を明確にしないといけません。

リスクシナリオとは考慮すべき不測事態を記載することで、以下の2つの要素から成り立っています。

1.変化する事態と突発事態の予測

      ・ 内部・外部環境で予測される全ての出来事の洗い出し

2.リスト化

  ・組織あるいは自分がコントロールできるものとできないものをリスト化し、コントロールできる 
   ものへの対処方法と優先順位付け

このようなリスクシナリオをしっかり立てて、具体的にこうなったらこの事業は中止し、撤退しますという点が明確でない事業計画には、そのものにゴーサインは決して出ませんでした。

なぜこの経験を思い出したかといいますと、なかなかコロナ禍の収束が見えてこない中、もうすぐ2020東京オリンピック・パラリンピックが開催されようとしています。

ここ最近の政府やオリンピック組織委員会の動きや発言を見聞きしていますと、オリンピック・パラリンピックを実行することばかりに目が向いた発言や行動が多く、果たして、いわゆるExit plan(出口計画)をきちんと議論して決定しているのかどうか心配になったからです。

もしExit planがあるならあるでそれを、また無いならない無いに、運命共同体である国民に示してほしいと思います。

これは何もオリンピックに限ったことではありません。我々も何か新しいことにチャレンジする際、引き際をあらかじめ具体的に決めておかないと、いつまでも成功する確率が少ないにも関わらず、人的・金銭的負担ばかりをかけ続けて、ついにはドツボにはまってしまい、にっちもさっちもいかなくなりかねません。

そうなっては遅いので、そうならないように、例えば売上高が2年たっても目標額に達しない場合は撤退するとかなど具体的に決めておくのです。

リスクシナリオの中の、予測されるすべての出来事の洗い出しで、失敗した思い出があります。

ある合弁のコンサルティング会社の設立に携わっていた時でした。

順調に設立し、半年ぐらい経ち、売り上げも順調に上がってきた矢先でした。

突然社長が心臓発作で倒れてしまい、数日後に亡くなってしまいました。その社長は大変優秀な方で、その方がいないと成り立っていかないほどの能力を持った方でした。

慌てて皆で、後継の社長候補を急遽探したのですが、何せ全く予測すらしていなかった事態でしたので、結局適任者が見つからず、且つまだ立ち上げて間もないということもあり、せっかく業績が上昇してきたのですが、会社をクローズすることになってしまいました。

社長が突然死するというリスクを見落としていたのです。

事業も人生も何が起こるかわかりません。自分や組織にとって都合の悪い最悪のことは、絶対起こらないとは断言できないことを思い知りました。

結論ですが、何か新しいことをやるときには、必ず出口計画を立ててから、安心して進めるように心がけましょう。

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